映画『アサシン』の感想・評価をレビュー!『ニキータ』との違いやブリジット・フォンダの魅力

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映画『アサシン/暗・殺・者』は、死刑を宣告された女性が政府の秘密組織によって暗殺者に育てられ、普通の幸せを求めて葛藤するアクション・サスペンスです。

1993年に公開された作品で、リュック・ベッソン監督のフランス映画『ニキータ』(1990年)をハリウッドでリメイクしたものになります。

主演はブリジット・フォンダ。彼女の美しさやかっこよさが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

ただ、この映画の感想を見ていると、評価はなかなか複雑なんですよね。

「ブリジット・フォンダが魅力的」「ニーナ・シモンの音楽がいい」「オリジナルより好き」という声がある一方で、「『ニキータ』には敵わない」「リメイクで独特の切なさが薄れてしまった」という意見もあります。

では、『アサシン』は実際に面白い映画なのでしょうか。

『アサシン』はオリジナルを超えるリメイクとは言いにくいものの、ブリジット・フォンダの魅力や印象的なアクション、音楽によって、独自の面白さを持っている作品です。

特に面白いのは、主人公のマギーが暗殺者として強くなるほど、普通の女性として生きることが難しくなっていくところです。

恋人からプロポーズされる幸せな瞬間に、暗殺任務を遂行しなければならない。そんな場面を観ると、彼女がどれほど追い詰められているのかが伝わってきます。

この記事では、映画『アサシン』の感想を中心に、面白かったところや惜しいと感じるところ、口コミで評価が分かれる理由、『ニキータ』との違いを詳しく紹介します。

後半では結末の意味もネタバレを含めて考察するので、まだ観ていない方は前半から楽しんでみてください。

目次

映画『アサシン/暗・殺・者』はどんな作品?基本情報とあらすじ

『アサシン』は、女性暗殺者を主人公にした映画のなかでも、90年代らしい雰囲気を楽しめる一本です。

オリジナルの『ニキータ』とストーリーがよく似ていますが、出演者や音楽が変わることで、作品から受ける印象も違っています。

まずは作品情報とあらすじを確認しておきましょう。

映画『アサシン』の基本情報とキャスト

項目内容
作品名アサシン/暗・殺・者
原題Point of No Return
製作年1993年
日本公開日1993年6月19日
製作国アメリカ
監督ジョン・バダム
脚本ロバート・ゲッチェル、アレクサンドラ・セロス
原作となった映画『ニキータ』(1990年)
主演ブリジット・フォンダ
出演ガブリエル・バーン、ダーモット・マローニー、アン・バンクロフト、ハーヴェイ・カイテルほか
音楽ハンス・ジマー
ジャンルアクション、サスペンス、ドラマ

監督のジョン・バダムは、『サタデー・ナイト・フィーバー』や『ウォー・ゲーム』などを手がけた人物です。

ときどきリュック・ベッソン監督の作品として紹介されることもありますが、ベッソンが監督したのはオリジナルの『ニキータ』。『アサシン』は、その物語をもとに別の監督が作ったリメイク映画です。

また、原題の「Point of No Return」は「後戻りできない地点」という意味になります。

日本語タイトルの『アサシン』は主人公が暗殺者であることを表していますが、原題には、暗殺者の世界から抜け出せなくなったマギーの運命が感じられますね。

この意味を知っておくと、ラストシーンも少し違って見えてきます。

ネタバレなしのあらすじ|死刑囚から暗殺者になった女性

主人公のマギーは、薬物に依存し、荒れた生活を送っている若い女性です。

仲間と起こした強盗事件で警察官を殺害した彼女は逮捕され、死刑判決を受けてしまいます。

ところが、処刑されたはずのマギーが目を覚ますと、そこは政府の秘密組織が管理する施設でした。

彼女の前に現れたボブという男は、政府の暗殺者として働くか、それとも死ぬかという選択を迫ります。

生き延びるために組織へ加わったマギーは、銃の扱いや格闘技、コンピューター、礼儀作法など、さまざまな訓練を受けることになります。

最初は反抗的だったマギーですが、厳しい教育を通して少しずつ変わっていきます。

やがて洗練された女性に生まれ変わった彼女は、新しい身分を与えられ、一般社会で暮らし始めます。

そこで出会ったのが、写真家の青年J・Pでした。

二人は恋に落ち、マギーはようやく普通の幸せを手に入れたように見えます。

しかし、そんな生活の裏では、政府組織から暗殺命令が下され続けていました。

愛する人と穏やかに暮らしたいのに、人を殺す仕事から逃れられない。

マギーは二つの人生の間で苦しみながら、自分の自由を取り戻す方法を探していきます。

暗殺アクションなのに、どこか切ない映画

『アサシン』は、銃撃戦や格闘シーンがあるアクション映画です。

でも、観終わった後に心に残るのは、派手な戦いよりもマギーの寂しさかもしれません。

彼女は政府組織に命を救われますが、その代わりに自由を奪われてしまいます。

きれいな服を着て、礼儀正しく振る舞えるようになっても、自分の人生を自分で決めることはできません。

好きな人ができても、仕事について本当のことを話せないんですね。

マギーにとって暗殺者として強くなることは、幸せになることと同じではありません。

むしろ、強くなるほど普通の暮らしが遠ざかっていくように感じられます。

暗殺者としては成長しているのに、一人の女性としては自由を失っている。

この矛盾があるからこそ、『アサシン』は単に強い女性が活躍する映画とは違った面白さを持っています。

映画『アサシン』の感想|面白いと感じる6つの魅力

映画『アサシン』の感想でよく挙がるのは、やはりブリジット・フォンダの魅力です。

ただ、彼女の美しさだけでなく、緊張感のある暗殺シーンや恋人とのすれ違い、脇役の存在感なども見逃せません。

印象的な場面を振り返りながら、どこが面白いのかを見ていきましょう。

ブリジット・フォンダが可愛くてかっこいい

『アサシン』の一番の魅力を挙げるなら、ブリジット・フォンダの存在感でしょう。

オリジナルの『ニキータ』と比べて評価が分かれる作品ですが、フォンダの姿は印象に残るという人も多いようです。

序盤のマギーは、乱れた髪に荒っぽい服装、険しい表情をした女性として登場します。

周囲の人間に反抗し、何かあるとすぐ感情的になってしまいます。

ところが、組織による訓練を受けてからの変化がすごいんです。

上品なドレスを着てレストランに現れたマギーは、最初の姿とはまるで別人のように見えます。

でも、ただきれいになっただけではありません。

見た目が変わっても、彼女のなかには荒々しさや危うさが残っています。

銃を構えるときには鋭い表情を見せる一方、恋人と過ごすときには柔らかい笑顔になる。

そんな表情の違いが、マギーという人物を魅力的にしていると思います。

特にいいのは、彼女が完璧な暗殺者として描かれていないところです。

訓練を受けて強くなっても、突然の命令には動揺しますし、人を殺すことにも苦しみます。

強さと弱さの両方が見えるからこそ、単なるアクションヒロインではなく、一人の女性として感情移入できるんですね。

ファンの感想にも、90年代のフォンダが可愛かった、当時憧れていた、何度も劇場で観たといった趣旨の声があります。

その気持ちが分かるような、彼女の魅力が詰まった作品です。

美しく変身する場面には、少し怖い意味もある

マギーが受ける訓練は、銃や格闘技だけではありません。

コンピューターの扱い方や一般教養、食事のマナー、服装、会話の仕方まで教え込まれます。

暗殺者なのに、どうしてそこまで礼儀作法を学ぶ必要があるのでしょうか。

それは、標的に近づくときに怪しまれないためです。

高級レストランに自然に入っていけることも、相手に好印象を与えることも、彼女にとっては仕事の一部になります。

この設定が、なかなか残酷なんですよね。

普通なら、女性が美しく変身する場面は前向きな成長として描かれそうなものです。

でも、マギーの場合は違います。

美しくなるほど、組織にとって都合のいい暗殺者へと変わっていくのです。

教育係のアマンダは、笑顔の作り方まで丁寧に教えます。

一見すると親切な先生のようですが、最終的にはマギーを人殺しの仕事へ送り出す立場でもあります。

この優しさと冷たさが入り混じった関係も面白いところです。

衣装の変化にも注目したいですね。

序盤の荒っぽい服装から、訓練後の洗練されたスーツやドレスへと変わることで、マギーの人生が大きく変化したことが伝わってきます。

ただし、外見が変わっても、本人が本当に幸せになったわけではありません。

むしろ、彼女が美しくなればなるほど、自由のない生活が際立って見えるように思います。

レストランでの初任務はハラハラする

アクションシーンのなかでも、特に印象的なのがレストランでの初任務です。

訓練を終えたマギーは、ボブに連れられて高級レストランへ向かいます。

久しぶりに外へ出られたこともあって、彼女はとてもうれしそうです。

きれいな服を着て、おいしい食事を楽しめると思っていたのでしょう。

ところが、ボブから渡されたプレゼントの箱に入っていたのは、拳銃でした。

マギーに命じられたのは、同じレストランにいる標的を殺害することです。

さっきまでの穏やかな雰囲気が、一瞬で変わってしまいます。

この場面は、単に銃撃戦が派手だから面白いわけではありません。

マギーが楽しみにしていた時間を、ボブが突然命がけの任務に変えてしまうところが怖いんです。

彼女にとっては、訓練を頑張ったご褒美のような外出だったはずです。

それなのに、実際には暗殺者としての最後の試験でした。

追っ手から逃げようとするマギーは、決して余裕たっぷりではありません。

必死に生き延びようとする姿には、冷静なプロの暗殺者とは違う人間らしさがあります。

美しいドレスを着た女性が銃を構えるという、見た目のかっこよさもあります。

でも、その裏で彼女が感じている恐怖まで伝わってくるからこそ、印象に残るシーンなんですね。

そして、この任務によって、マギーは自分が自由ではないことを改めて思い知らされます。

ボブがどれほど優しく接してくれても、組織は彼女の人生を好きなように動かせるのです。

プロポーズと暗殺が重なるホテルの場面が切ない

『アサシン』のなかで、特にマギーの苦しさが伝わってくるのが、ニューオーリンズのホテルでの暗殺シーンです。

マギーは恋人J・Pと旅行を楽しみますが、ホテルで組織からの指令を受けます。

浴室には狙撃用のライフルが用意されていて、彼女はそこで標的を狙わなければなりません。

ところが、マギーが準備を進めていると、浴室のドアの向こうからJ・Pが話しかけてきます。

彼はマギーに結婚を申し込もうとしていたのです。

普通なら、恋人からプロポーズされるのはうれしい瞬間ですよね。

でも、マギーはそのとき、人を殺すために銃を構えています。

彼女がずっと望んでいた幸せと、逃れられない暗殺者としての仕事が、同じ時間に重なってしまうのです。

この場面は、本当によく考えられていると思います。

ドア一枚を隔てて、二人はまったく違う世界にいます。

J・Pは、これからの幸せな暮らしを思い描いています。

一方、マギーは標的に銃を向けながら、任務を成功させなければならない状況です。

しかも、J・Pはマギーの秘密を知りません。

観客は事情を知っているので、彼が何度も話しかけるたびに、マギーが追い詰められていくのが分かります。

J・Pの行動を少し煩わしく感じる人もいるかもしれません。

でも、彼は何も知らない普通の男性なんですよね。

恋人との未来を真剣に考えているだけで、悪いことをしているわけではありません。

本当に問題なのは、マギーが大切な人にさえ本当のことを話せない状況に置かれていることです。

幸せを手に入れようとする瞬間に、暗殺者としての人生が割り込んでくる。

この場面を観ると、マギーがどれほど普通の生活を望んでいるのか、説明されなくても伝わってきます。

アクションと恋愛ドラマが自然に重なった、本作でも特に印象深いシーンです。

ガブリエル・バーン演じるボブが渋くて魅力的

ブリジット・フォンダと並んで印象に残るのが、ガブリエル・バーン演じるボブです。

ボブはマギーを政府の秘密組織に引き入れ、暗殺者として育てる人物です。

落ち着いた雰囲気で、知的で、どこか優しさも感じられます。

ただ、この人は単純にいい人とは言えないんですよね。

マギーの能力を認め、成長を喜び、ときには親身になって接します。

その一方で、危険な暗殺任務を命じる立場でもあります。

レストランでの初任務を考えると、彼の怖さがよく分かります。

マギーを楽しい食事に誘ったかと思えば、突然拳銃を渡して殺人を命じるのです。

彼女の気持ちを理解しているように見えても、結局は組織の都合を優先しています。

でも、マギーへの特別な感情がまったくないわけでもなさそうです。

彼の態度には、愛情とも責任感とも受け取れるものがあります。

ガブリエル・バーンは、そうした複雑な気持ちを大げさに演じず、静かな表情や話し方で伝えています。

そのため、何を考えているのか分からない瞬間もありますが、そこが魅力になっています。

オリジナル『ニキータ』ではチェッキー・カリョが同じ役を演じています。

どちらのボブも印象的ですが、バーンの知的で物静かな雰囲気が好きだから『アサシン』のほうを好む、という感想にも納得できます。

ただし、彼の優しさを美化しすぎないことも大切でしょう。

マギーの自由を奪った組織の一員であることは、最後まで変わらないからです。

ハーヴェイ・カイテル演じる掃除人が怖い

終盤に登場するハーヴェイ・カイテル演じるヴィクターも、忘れにくい人物です。

彼は失敗した任務の後始末を担当する、組織の掃除人として登場します。

それまでマギーは、暗殺任務を成功させれば組織に必要とされ、生き延びられると考えられる状況にいました。

ところが、ヴィクターが現れると、その考えが通用しないことが分かってきます。

彼は任務のためなら、同じ組織の人間でも容赦なく殺します。

負傷した仲間のベスを処分する姿には、恐ろしいほどの冷たさがあります。

ヴィクターにとって、人の命は任務の邪魔になるかどうかで判断するものなのでしょう。

ハーヴェイ・カイテルの演技も印象的です。

大声で威嚇したり、感情をむき出しにしたりするのではなく、淡々と仕事を進めていきます。

その落ち着きが、かえって怖いんですよね。

この人物が登場することで、マギーは組織の本当の姿を思い知らされます。

どれだけ命令に従っていても、必要がなくなれば簡単に消されるかもしれない。

そう考えると、彼女が組織から抜け出したいと願う気持ちも、より切実なものに感じられます。

映画『アサシン』がつまらないと評価される4つの理由

ここまで魅力的なところを紹介してきましたが、『アサシン』には惜しいと感じる部分もあります。

特にオリジナルの『ニキータ』を先に観ていると、ストーリーや演出の違いが気になってしまうかもしれません。

ただ、批判的な感想にもそれぞれ理由があります。どこが物足りないと感じられているのかを整理すると、この映画の特徴がより分かってきます。

オリジナル『ニキータ』とストーリーがほとんど同じ

『アサシン』の弱点としてよく挙げられるのが、オリジナルとの類似性です。

主人公が犯罪を犯して死刑を宣告され、政府組織に暗殺者として育てられるという設定はもちろん、訓練の過程や初任務、恋愛、終盤の展開もよく似ています。

もちろん、リメイクだからといって、大きくストーリーを変えなければいけないわけではありません。

同じ物語でも、監督や出演者が変われば、新しい魅力が生まれることもあります。

ただ、『ニキータ』を先に観ている人にとっては、次に何が起こるのか予想できてしまう場面が多いんですよね。

レストランでの初任務や掃除人の登場も、オリジナルを知っていると驚きは少なくなります。

『アサシン』だけを観れば十分に面白いのに、『ニキータ』と比較すると物足りなく感じてしまう。

これはリメイク映画ならではの難しさだと思います。

一方、オリジナルを知らない人なら、そこまで気にせず楽しめるはずです。

その意味では、どちらを先に観たかによって感想が変わりやすい映画ともいえますね。

フランス映画らしい切なさが少し薄れている

『ニキータ』の魅力は、単にアクションがかっこいいことではありません。

主人公の不安定な感情や孤独が、映画全体から伝わってくるところにもあります。

リュック・ベッソン監督の映像には独特の鋭さがあり、暴力的な場面にもどこか痛々しさが漂っています。

一方、『アサシン』はハリウッド映画らしく、物語が比較的分かりやすく整理されています。

登場人物の行動を追いやすく、アクションも楽しみやすい作りです。

これは長所でもありますが、オリジナルが持っていた独特の不安や寂しさが弱まったと感じる人もいるでしょう。

特に、主人公の感情を見せる方法が違っています。

『ニキータ』では、何を考えているのか分からない表情や、不安定な行動から気持ちを想像する場面があります。

『アサシン』では、マギーが普通の生活を求めていることが、より分かりやすく描かれています。

どちらの演出が好きかは、かなり好みが分かれそうです。

映画に独特の余韻を求める人なら『ニキータ』が合うでしょうし、人物の感情を分かりやすく楽しみたい人なら『アサシン』のほうが観やすいかもしれません。

マギーの苦悩をもう少し深く描いてほしかった

『アサシン』でも、マギーが暗殺者としての生活に苦しんでいることは伝わってきます。

ホテルでの狙撃任務や、恋人に本当のことを話せない場面は、その代表でしょう。

ただ、彼女の心の変化をもう少し丁寧に描いてほしかったと感じる部分もあります。

マギーは命令に従って人を殺しながら、何事もなかったように恋人のもとへ帰らなければなりません。

その生活がどれほど苦しいのかは、想像するだけでもつらいものがあります。

だからこそ、任務を終えた後の気持ちや、普段の生活で抱える不安を、もう少し見たかった気もします。

もちろん、すべてを説明する必要はありません。

むしろ、言葉にできない感情を表情だけで見せるのも映画の魅力です。

ただ、『アサシン』ではアクションや恋愛の展開が比較的テンポよく進むため、マギーの心の痛みが十分に積み重ならないまま、次の場面に移ってしまうように感じられるところがあります。

オリジナル『ニキータ』の主人公には、アンヌ・パリローならではの危うさや孤独がありました。

ブリジット・フォンダの演技が悪いというよりも、映画全体で描かれる感情の方向性が違うのでしょう。

華やかさと親しみやすさでは『アサシン』、痛々しさや孤独では『ニキータ』。

そんな違いがあるように感じます。

リメイクならではの新鮮さが少ない

『アサシン』には、主演俳優や音楽、衣装など、オリジナルとは違う魅力があります。

それでも、物語そのものは大きく変わっていません。

そのため、映画全体としてどこまで新しいものを加えられたのかという点では、厳しく評価されることもあります。

リメイク作品に求めるものは、人によって違います。

オリジナルを忠実に再現してほしい人もいれば、大胆な変更によって新しい映画にしてほしい人もいるでしょう。

『アサシン』は、比較的前者に近い作品です。

ただし、出演者や音楽によって印象が変わるため、単なるコピーとも言い切れません。

この映画の惜しいところと魅力を整理すると、次のようになります。

  • ストーリー: オリジナルに忠実で楽しみやすい反面、新鮮さは少なめ。
  • 映像表現: ハリウッドらしい見やすさがあるものの、原作特有の鋭さは弱まっている。
  • 人物描写: マギーの葛藤は伝わるが、感情の深さでは好みが分かれる。
  • 出演者: ブリジット・フォンダやガブリエル・バーンが独自の魅力を生んでいる。
  • 音楽: ニーナ・シモンの歌声が、作品の雰囲気を大きく変えている。

『ニキータ』の完成度を期待すると物足りないかもしれませんが、90年代のハリウッド映画として楽しむなら、十分に魅力のある作品だと思います。

映画『アサシン』の口コミ・レビュー評価は?賛否が分かれる理由

『アサシン』の感想を見ていると、面白いと感じる人と、オリジナルのほうがよかったと感じる人の間には、少し違った視点があるようです。

ブリジット・フォンダの魅力を楽しむ人もいれば、物語や演出の完成度を重視する人もいます。

ここでは、公開当時の批評やファンの感想に見られる傾向を紹介します。

面白いという口コミではフォンダの魅力が目立つ

好意的な感想で特に目立つのは、ブリジット・フォンダへの評価です。

90年代のフォンダが可愛かった、かっこよかった、当時憧れていたという声があります。

劇場で何度も観たという思い出を語る人もいるようです。

こうした感想を見ると、『アサシン』が単にストーリーの面白さだけで愛されている映画ではないことが分かります。

俳優の表情や衣装、音楽、当時の映画の雰囲気そのものが、強く記憶に残っているのでしょう。

特にフォンダが美しく変身する場面は、印象に残りやすいところです。

序盤の荒々しい姿から、ドレスを着こなす洗練された女性へと変わる様子には、映像としての楽しさがあります。

さらに、ガブリエル・バーンの存在感を評価する声もあります。

ボブという複雑な人物を、落ち着いた雰囲気で演じているところが魅力なのでしょう。

ただし、こうした感想は、すべての鑑賞者に共通する意見ではありません。

映画への評価は人によって異なるため、どの部分に魅力を感じているのかを知る参考として受け止めるのがよさそうです。

『ニキータ』より『アサシン』が好きという人もいる

『アサシン』について興味深いのが、オリジナルよりリメイク版を好む人もいることです。

『ニキータ』のほうが高く評価されることもありますが、だからといって『アサシン』のほうが好きという感想が不自然なわけではありません。

例えば、ブリジット・フォンダの華やかさが好きな人なら、マギーのほうが魅力的に感じられるでしょう。

また、ガブリエル・バーン演じるボブの落ち着いた雰囲気が気に入ったという人もいます。

さらに、ニーナ・シモンの楽曲が作品に合っていると感じる人にとっては、音楽も大きな魅力です。

同じストーリーでも、主演俳優や音楽が変われば、作品から受ける印象はかなり違ってきます。

映画を観るとき、必ずしも脚本や演出の完成度だけで好き嫌いが決まるわけではありませんよね。

出演者の雰囲気や、ある場面で流れた音楽が忘れられなくなることもあります。

『アサシン』は、そんな映画の楽しみ方がよく似合う作品だと思います。

『ニキータ』には敵わないという厳しい感想もある

反対に、批判的な感想では『ニキータ』との比較が中心になっています。

特に、ハリウッド版になって映像の切れ味や心理描写が弱くなったという意見が見られます。

オリジナルの持つ独特の切なさや不安定な雰囲気が好きな人には、リメイク版が少し物足りなく映るのでしょう。

物語がほとんど同じであることも、評価が下がる理由の一つです。

次に何が起こるのか分かってしまうため、演出や出演者に新しい魅力を感じられなければ、あえてリメイクを観る意味が薄く感じられるのかもしれません。

ただ、「オリジナルには敵わない」という感想と、「リメイク版はつまらない」という感想は、必ずしも同じではありません。

『ニキータ』のほうが好きだけれど、『アサシン』も楽しめる。

そんな受け止め方も十分にあるでしょう。

再鑑賞すると感想が変わることもある

昔『アサシン』を観た人が、久しぶりに観直して印象が変わったという声もあります。

以前はかっこいいと思っていたアクションに、少し時代を感じることもあるでしょう。

映画のテンポや映像表現は変化しているため、新しい作品に慣れていると、昔ほど迫力を感じないかもしれません。

一方で、年齢や経験を重ねてから観ると、以前とは違う部分が気になってくることもあります。

例えば、若い頃にはボブが魅力的な男性に見えていても、改めて観ると、マギーを支配する組織の一員であることが気になるかもしれません。

J・Pとの恋愛についても、二人の立場を考えながら観ると、以前とは違う印象を持つことがありそうです。

再鑑賞で評価が下がる人もいれば、人物関係の複雑さを理解して、より好きになる人もいるでしょう。

『アサシン』は、そんなふうに見方が変わる楽しさもある映画です。

テレビ放送や配信で出会っても楽しめる

『アサシン』は、劇場公開当時の思い出とともに語られるだけでなく、テレビ放送や配信を通して新しく出会う人もいる作品です。

昔観た人にとっては、90年代のブリジット・フォンダを懐かしく感じる映画でしょう。

一方、初めて観る人には、現在の女性暗殺者映画とは少し違う雰囲気が新鮮に映るかもしれません。

近年の暗殺者映画では、戦闘能力の高い主人公が次々と敵を倒していく作品もあります。

でも、『アサシン』で中心になるのは、強くなることと幸せになることが同じではないという苦しさです。

その違いに注目すると、公開から年月が経っても楽しめる理由が見えてくると思います。

映画『アサシン』と『ニキータ』の違いを比較

『アサシン』の感想を語るとき、どうしても気になるのがオリジナル『ニキータ』との違いです。

物語はよく似ていますが、主演俳優や恋人の人物像、音楽、映像の雰囲気には、それぞれ違った魅力があります。

どちらが優れているかを決めるだけでなく、同じ物語がどう変わったのかを見比べると、より楽しめそうですね。

『ニキータ』と『アサシン』の主な違い

比較項目『ニキータ』『アサシン』
公開年1990年1993年
製作国フランスアメリカ
監督リュック・ベッソンジョン・バダム
主演アンヌ・パリローブリジット・フォンダ
主人公ニキータマギー
教育係のボブチェッキー・カリョガブリエル・バーン
恋人マルコJ・P
掃除人ジャン・レノハーヴェイ・カイテル
音楽エリック・セラハンス・ジマー、ニーナ・シモンの楽曲
全体の印象鋭い映像と独特の切なさ洗練された雰囲気と娯楽性

同じ物語でも、出演者が変わるだけでかなり印象が違ってきます。

特に主人公とボブ、恋人の関係に注目すると、両作品の個性が見えてきます。

アンヌ・パリローとブリジット・フォンダの魅力の違い

『ニキータ』のアンヌ・パリローは、社会からはみ出した女性の危うさや孤独を強く感じさせます。

感情が不安定で、いつ何をするか分からないような緊張感があります。

一方、ブリジット・フォンダのマギーには、華やかさと親しみやすさがあります。

序盤は荒っぽい女性ですが、訓練を経て洗練された姿になると、その美しさがとても印象的です。

この違いは、主人公への感情移入の仕方にも関わってきます。

『ニキータ』では、主人公の孤独や痛々しさに引き込まれます。

『アサシン』では、普通の幸せを望むマギーの姿に共感しやすいように感じられます。

もちろん、どちらの演技が好きかは人によって違います。

アンヌ・パリローの生々しい感情表現が好きな人もいれば、ブリジット・フォンダの華やかさに魅力を感じる人もいるでしょう。

どちらも主人公の強さだけでなく、弱さを見せているところがいいですね。

ボブ役はチェッキー・カリョとガブリエル・バーンで印象が違う

『ニキータ』のボブを演じているのは、チェッキー・カリョです。

一方、『アサシン』ではガブリエル・バーンが演じています。

どちらも主人公を暗殺者として育てる立場ですが、雰囲気には違いがあります。

チェッキー・カリョのボブには、冷たさと優しさが入り混じった複雑な印象があります。

組織の人間として厳しく振る舞いながらも、主人公への感情が少しずつ伝わってきます。

ガブリエル・バーンのボブは、より知的で落ち着いた雰囲気です。

穏やかな話し方をしていても、どこか本心が分からないところがあります。

この物静かな感じが、マギーの激しい性格とよく合っているんですよね。

ファンの感想にも、バーンのボブが好きだからリメイク版のほうが好みという声があります。

確かに、彼の存在感は『アサシン』を楽しむ大きな理由になると思います。

ただ、二人のボブに共通しているのは、主人公を支配する組織の一員であることです。

優しく見えても、暗殺者としての仕事から簡単に解放してくれるわけではありません。

そんな矛盾を抱えた人物だからこそ、物語に奥行きが生まれているのでしょう。

恋人の人物像が変わったことで印象も違っている

両作品を比較するときに、意外と大きいのが恋人の違いです。

『ニキータ』の恋人マルコは、スーパーマーケットで働く普通の青年です。

一方、『アサシン』のJ・Pは写真家という設定になっています。

職業が変わっただけにも見えますが、二人の関係から受ける印象は少し違います。

オリジナルのマルコは、暴力とは無縁の日常を感じさせる存在です。

だからこそ、ニキータが彼との生活に憧れる気持ちも伝わってきます。

一方、J・Pはマギーの秘密を気にして、彼女の行動に疑問を抱きます。

恋人が何も話してくれなければ、不安になるのは自然なことですよね。

ただ、観客はマギーの事情を知っているため、J・Pの言動が彼女を追い詰めているように見えることがあります。

特にホテルでのプロポーズの場面がそうです。

彼は結婚を申し込もうとしているだけなのに、マギーにとっては暗殺任務と重なってしまい、苦しい時間になります。

ただし、J・Pが物語に合っていないというわけではありません。

彼がマギーの秘密に不安を感じるからこそ、暗殺者としての生活が普通の恋愛を難しくしていることも伝わってきます。

恋人の人物像が変わるだけで、同じ物語でも少し違った印象になるのが面白いところです。

ジャン・レノとハーヴェイ・カイテルの掃除人はどちらが怖い?

『ニキータ』で掃除人ヴィクトルを演じているのはジャン・レノです。

『アサシン』では、ハーヴェイ・カイテルがヴィクターを演じています。

どちらも、組織の命令で問題を処理する冷酷な人物です。

ジャン・レノの掃除人には、感情の読めない不気味さがあります。

人を殺すことにためらいがなく、まるで機械のように仕事を進めていきます。

一方、ハーヴェイ・カイテルのヴィクターには、現実の犯罪者のような怖さがあります。

淡々と仕事を進めながらも、何をするか分からない危険な雰囲気が漂っています。

オリジナルのジャン・レノが強烈な印象を残しているため、リメイク版では物足りなく感じる人もいるでしょう。

でも、カイテルの演技にも独特の迫力があります。

どちらが怖いかは好みによりますが、俳優によって同じ役の印象が変わるところは、リメイク作品を見比べる楽しさの一つですね。

結局『ニキータ』と『アサシン』はどちらが面白い?

映画としての独創性や映像表現を重視するなら、『ニキータ』をおすすめします。

リュック・ベッソン監督ならではの映像の鋭さや、主人公の孤独が強く印象に残る作品です。

一方、ブリジット・フォンダの魅力やハリウッド映画らしい見やすさを楽しみたいなら、『アサシン』も十分に面白いと思います。

特に、ガブリエル・バーンやニーナ・シモンの音楽が好きな人なら、リメイク版のほうが気に入る可能性もあるでしょう。

どちらが好きかを整理すると、こんな違いがあります。

  • 『ニキータ』がおすすめの人: 独特の映像表現や、主人公の孤独、切ない余韻を楽しみたい人。
  • 『アサシン』がおすすめの人: ブリジット・フォンダの魅力や、アクションと恋愛の両方を楽しみたい人。
  • 両方観ると楽しめる人: 同じ物語が出演者や監督によってどう変わるのかを比較したい人。

初めて観るなら、どちらからでも物語は理解できます。

ただ、リメイクによる変化をじっくり楽しみたいなら、『ニキータ』から観てみると違いが分かりやすいでしょう。

映画『アサシン』の音楽が心に残る理由

『アサシン』について語るとき、音楽を忘れるわけにはいきません。

特にニーナ・シモンの歌声は、この映画の雰囲気を大きく変えているように感じます。

ハンス・ジマーの劇伴も含めて、音楽がマギーの感情をどのように支えているのかを見ていきましょう。

ニーナ・シモンの歌声がマギーによく似合う

本作では、マギーがニーナ・シモンの音楽を好んでいるという設定があります。

暗殺者として活動するときのコードネームにも「ニーナ」が使われています。

この設定が、なんだかいいんですよね。

政府組織にとってマギーは、命令を遂行するための工作員です。

でも、彼女自身には好きな音楽があり、恋をして、普通の暮らしを望む気持ちがあります。

ニーナ・シモンの歌声は、そんなマギーの人間らしい部分を感じさせてくれます。

力強いのに、どこか寂しさもある歌声。

その雰囲気が、暗殺者として生きることを強いられたマギーによく合っています。

アクション映画の音楽というと、激しい場面を盛り上げるものを想像するかもしれません。

でも、『アサシン』では、歌そのものが主人公の人物像を深める役割も果たしているのです。

『Feeling Good』などの楽曲が印象的

『アサシン』のサウンドトラックには、ニーナ・シモンの楽曲が収録されています。

代表的なのは、次の曲です。

  • 「Feeling Good」
  • 「Here Comes the Sun」
  • 「Wild Is the Wind」
  • 「I Want a Little Sugar in My Bowl」
  • 「Black Is the Color of My True Love’s Hair」

なかでも「Feeling Good」は、マギーの物語と重ねて考えたくなる一曲です。

彼女は暗殺者として新しい人生を与えられますが、それは本人が望んだ自由ではありません。

恋人と出会い、ようやく普通の幸せを感じられるようになっても、組織からの命令によって生活が脅かされます。

本当に新しい人生を始めるためには、組織が与えた身分ではなく、自分の意思で生きる道を選ぶ必要があるのでしょう。

そう考えると、「Feeling Good」という曲名にも、物語とのつながりを感じます。

また、「Wild Is the Wind」の情感豊かな歌声は、マギーの恋愛や孤独とも重ねて聴けそうです。

映画を観終わった後にサウンドトラックを聴き直すと、印象的な場面が思い浮かぶ人もいるのではないでしょうか。

ハンス・ジマーの音楽も作品を支えている

本作の劇伴を担当したのは、ハンス・ジマーです。

暗殺任務の緊張感や、人物の感情が揺れる場面を音楽で支えています。

ニーナ・シモンの歌声がマギーの人間らしい部分を感じさせる一方、ジマーの音楽は彼女を取り巻く危険な世界を印象づけています。

この二つが組み合わさることで、映画の雰囲気が豊かになっているんですね。

オリジナル『ニキータ』では、エリック・セラが音楽を担当しています。

両作品の音楽を比較すると、同じストーリーでも、音楽によって受ける印象がかなり変わることに気づきます。

『ニキータ』の不安定な雰囲気が好きな人もいれば、『アサシン』の洗練された音楽の使い方が好きな人もいるでしょう。

音楽が好みに合うかどうかも、この二作品の評価が分かれる理由の一つだと思います。

ブリジット・フォンダの役作りと『アサシン』の制作秘話

『アサシン』は、主演女優の魅力が強く印象に残る映画です。

ただ、ブリジット・フォンダが最初からアクションを得意としていたわけではありません。

撮影に向けた準備や、ハリウッドでリメイクされるまでの経緯を知ると、作品の見え方も少し変わってきます。

ブリジット・フォンダは撮影前にアクションの訓練を受けていた

『アサシン』では、マギーが銃や格闘技を学び、暗殺者として成長していく姿が描かれています。

ブリジット・フォンダ自身も、撮影に向けてトレーニングに取り組んでいました。

公開当時のインタビューでは、フォンダが撮影前に約1か月の訓練を受け、キックボクシングや銃の扱いなどを学んだことが紹介されています。

フォンダは自分が特別に運動の得意なタイプではないことや、怒りを表現する難しさについても語っていました。

だからこそ、映画のなかで見せるマギーの変化には、役作りの成果も感じられます。

序盤の荒々しい姿から、銃を構える暗殺者としての姿へ。

見た目だけでなく、身体の動きにも変化があるところに注目すると面白いでしょう。

もちろん、すべてのアクションをフォンダ本人が演じたわけではなく、スタントを担当するスタッフも参加しています。

それでも、主人公の変化に説得力を持たせるうえで、彼女の準備が役立っていたことは間違いないでしょう。

主演候補にはほかの有名女優の名前もあった

『アサシン』の主演はブリジット・フォンダですが、製作の過程ではほかの女優の名前も報じられていました。

アメリカ映画協会(AFI)の資料によると、ジュリア・ロバーツ、キム・ベイシンガー、デミ・ムーアなども主演候補として名前が挙がっていたそうです。

最終的にフォンダが主演に選ばれたことで、今の『アサシン』が生まれました。

もし別の女優がマギーを演じていたら、どんな作品になっていたのでしょうか。

もちろん、実際に作られていない映画について断定はできません。

でも、マギーという人物は主演女優の魅力によって印象が大きく変わる役なので、少し想像してみたくなりますね。

ブリジット・フォンダの華やかさや、どこか危うい雰囲気は、本作をオリジナルとは違う作品にしている大きな理由の一つです。

リュック・ベッソンもリメイクの初期開発に関わっていた

『アサシン』は、リュック・ベッソン監督の『ニキータ』をもとに製作されています。

アメリカ映画協会(AFI)の記録によると、ベッソンは英語版の脚本開発にも関わっていました。

しかし、監督としての契約には至らず、最終的にジョン・バダムが監督を務めることになりました。

この経緯を知ると、両作品の違いも少し理解しやすくなります。

『アサシン』は、ベッソン自身がオリジナルを撮り直した映画ではありません。

別の監督が同じ物語を受け取り、ハリウッド映画として作り上げた作品なのです。

だからこそ、ストーリーは似ていても、人物の印象やアクションの見せ方が変わっています。

リメイクとしての新鮮さには物足りなさが残るものの、監督や出演者の違いを楽しめるところに、本作の面白さがあるのでしょう。

映画『アサシン』の結末をネタバレ考察|マギーが選んだ自由とは?

ここからは映画のラストまで触れていきます。

『アサシン』の結末は、単にマギーが組織から逃げ出して終わる話ではありません。

最後の任務で明らかになる組織の恐ろしさや、ボブの決断を振り返ると、マギーが本当に求めていたものが見えてきます。

ここからは結末までのネタバレを含みます。

最後の任務でマギーは組織の恐ろしさを知る

物語の後半、マギーは暗殺者としての生活に限界を感じるようになります。

恋人J・Pと普通に暮らしたいという願いが強くなり、ボブに組織から抜けたいと訴えます。

しかし、暗殺者として育てられた彼女が、簡単に自由になれるわけではありません。

ボブは、次の任務を成功させれば組織を抜けるために力を貸すと約束します。

マギーはその言葉に希望を託して、最後の任務へ向かいます。

ところが、作戦は思うように進みません。

仲間の不手際によって予定外の殺人が起こり、組織は掃除人ヴィクターを送り込んできます。

ヴィクターは、任務の失敗を処理するためなら、同じ組織の人間にも容赦しません。

彼の行動を見ていると、マギーたち工作員が組織にとってどのような存在なのかが分かってきます。

それまでどれほど命令に従っていても、必要がなくなれば簡単に処分されるかもしれないのです。

マギーにとっては、これ以上ないほど恐ろしい現実でしょう。

組織は彼女の命を救いましたが、最初から一人の人間として尊重していたわけではありません。

あくまで任務を遂行するための存在として利用していただけなのです。

この場面で、マギーが自由を求める理由は、さらに切実なものになります。

掃除人ヴィクターはなぜマギーを殺そうとした?

ヴィクターがマギーを殺そうとするのは、個人的に恨んでいたからではありません。

任務に失敗した工作員や、組織にとって不都合な存在を処分するためです。

彼にとってマギーは、同じ組織の仲間だから守るべき相手というわけではありません。

必要なら排除する対象なのです。

終盤、ヴィクターは組織からマギーを始末するよう命じられます。

マギーは彼の危険な意図に気づき、必死に抵抗します。

二人の争いの末、マギーはヴィクターを倒し、命からがら生き延びます。

この展開で印象的なのは、マギーが自分の命を守るために戦っていることです。

それまで彼女は、組織から命令された相手を殺すために戦闘技術を使ってきました。

でも、ここでは違います。

自分自身が生きるために、組織から与えられた能力を使うのです。

同じように銃や格闘技を使っていても、目的はまったく異なります。

誰かの命令に従うためではなく、自分の意思で生き延びようとする。

この変化が、マギーにとって大きな意味を持っているように感じます。

マギーは最後に死亡したのか?

結末が気になっている人もいると思いますが、マギーは映画のラストで死亡していません。

ヴィクターとの戦いを生き延びたマギーは、恋人J・Pのもとへ戻ります。

そして、自分が政府の秘密工作員であることを打ち明けます。

しかし、彼女はそのままJ・Pと暮らし続けることを選びません。

身の回りの物をほとんど残したまま、一人で姿を消してしまいます。

この別れは、なんとも切ないですね。

マギーにとってJ・Pとの生活は、ずっと求めていた普通の幸せでした。

自分の過去を知らず、ただ一人の女性として愛してくれる恋人の存在は、大きな救いだったはずです。

それでも、彼女はその生活を手放します。

組織から逃げようとする自分が一緒にいれば、J・Pまで危険に巻き込まれる可能性があるからでしょう。

また、組織の支配から抜け出すためには、それまでの生活そのものを捨てなければならないと考えたのかもしれません。

マギーは生き延びますが、愛する人との幸せな暮らしを手に入れたわけではありません。

だからこそ、ラストには希望だけでなく、寂しさも残ります。

ボブがマギーを見逃した理由は?

マギーが姿を消した後、ボブはJ・Pから彼女の事情を聞きます。

そして、組織にはマギーが死亡したと報告します。

実際にはマギーの死亡を確認していないにもかかわらず、彼は彼女を追い続けるのではなく、逃亡を見逃す道を選ぶのです。

なぜボブは、組織に嘘をついたのでしょうか。

やはり、マギーへの特別な感情があったからだと考えるのが自然でしょう。

ボブはマギーを暗殺者として育て、長い時間をかけて関係を築いてきました。

最初は組織の工作員として扱っていても、次第に特別な存在になっていたのかもしれません。

ただし、その感情が恋愛だったのかは、はっきりしません。

愛情や責任感、罪悪感など、いろいろな気持ちが混ざっていたようにも見えます。

ここで忘れたくないのは、ボブがそれまでマギーを支配する側の人間だったことです。

彼は彼女を危険な任務へ送り出してきましたし、組織の命令に従わせてきました。

最後に見逃したからといって、それまでの行動がすべて許されるわけではありません。

それでも、ボブにとっては大きな決断だったのでしょう。

自分が育ててきた女性を、最後には手放すことを選んだのです。

この複雑な感情があるからこそ、ボブという人物は単純な善人にも悪人にも見えません。

ラストシーンが伝える自由の意味

『アサシン』のラストで印象に残るのは、マギーがようやく自分の意思で生き方を選んだことです。

物語の序盤、彼女にはほとんど選択肢がありませんでした。

死刑を受け入れるか、暗殺者になるか。

組織から提示された二つの道のどちらかを選ぶしかなかったのです。

その後も、任務を拒否する自由はありません。

訓練を受けて強くなっても、組織に命令される生活が続きます。

恋人ができても、普通の幸せを守ることは難しいままでした。

でも、最後にマギーは自分で人生を選びます。

その先に安全な生活が待っている保証はありません。

それでも、誰かに決められた人生ではなく、自分の意思で生きようとするのです。

ここで原題の「Point of No Return」を思い出すと、さらに印象深くなります。

後戻りできない地点という言葉は、暗殺者の世界に入ってしまったマギーの運命を表しています。

でも、最後に自分で選んだ道へ進むことも、後戻りできない決断なんですよね。

過去の人生に戻れたわけではないけれど、新しい人生を始める可能性を手にした。

そんな終わり方だからこそ、単純なハッピーエンドとは違う余韻が残るのだと思います。

『ニキータ』と『アサシン』はラストの余韻も少し違う

両作品の結末は、大筋ではよく似ています。

ただ、人物の気持ちをどのように見せるかには違いがあります。

『ニキータ』では、主人公が姿を消した後の余韻が強く、観客が感情を想像する余地が残されています。

一方、『アサシン』ではボブがマギーを逃がす決断が、比較的分かりやすく描かれています。

そのため、リメイク版のほうが登場人物の気持ちを理解しやすいと感じる人もいるでしょう。

ただし、オリジナルの曖昧な余韻が好きな人には、少し説明的に映るかもしれません。

どちらのラストが好きかは、映画に何を求めるかによって変わりそうです。

登場人物の決断をはっきり受け止めたいなら『アサシン』、余白を残した終わり方を楽しみたいなら『ニキータ』が合うかもしれません。

映画『アサシン』は今観ても面白い?おすすめできる人と合わない人

『アサシン』は1993年公開の映画なので、新しいアクション作品と比べると、映像やテンポに時代を感じるところもあります。

それでも、ブリジット・フォンダの魅力や音楽、主人公が抱える葛藤には、十分に楽しめるものがあります。

観ようか迷っているなら、どんな映画を期待しているかを考えてみるとよさそうです。

ブリジット・フォンダや90年代映画が好きな人におすすめ

『アサシン』を特におすすめしたいのは、ブリジット・フォンダが好きな人です。

荒っぽい女性から美しい暗殺者へと変化していく姿は、彼女の魅力をたっぷり楽しめます。

また、90年代のハリウッド映画が好きな人にも向いています。

新しい映画とは少し違った映像のテンポや、衣装、音楽、俳優の存在感を味わえるでしょう。

特にニーナ・シモンの楽曲が好きなら、映画全体の雰囲気も気に入りやすいと思います。

アクションと恋愛ドラマの両方を楽しみたい人にもおすすめです。

マギーは戦闘能力を身につけますが、心のなかでは普通の幸せを求めています。

そのため、ただ敵を倒していく映画とは違った切なさがあります。

『ニキータ』の独特な雰囲気が好きな人は好みが分かれそう

一方、オリジナル『ニキータ』の映像表現や心理描写が好きな人には、リメイク版が少し物足りなく感じられるかもしれません。

ストーリーの大筋がよく似ているため、オリジナルを知っていると新鮮さも少なくなります。

また、大作アクション映画のような激しい戦闘や、スピーディーな展開を期待している人にも、必ずしも合うとは限りません。

本作は銃撃戦だけでなく、訓練や恋愛、主人公の心の変化にも時間を使っています。

そのため、アクションだけを目的にするより、人間ドラマも含めて楽しむほうが満足しやすそうです。

ただ、映画の好みは人それぞれです。

『ニキータ』のほうが高く評価されているからといって、『アサシン』を好きになってはいけないわけではありません。

むしろ、両方観て、自分はどちらの雰囲気が好きなのかを比べてみるのも面白いと思います。

女性暗殺者を主人公にした映画が好きな人にも向いている

女性暗殺者が登場する映画を好む人にも、『アサシン』は楽しめる作品です。

ただし、本作の主人公は最初から強い女性として描かれているわけではありません。

生き延びるために暗殺者になることを強制され、訓練によって能力を身につけていきます。

しかも、強くなるほど幸せに近づくとは限らないのです。

この設定が、ほかの暗殺者映画とは少し違うところでしょう。

例えば、『レオン』や『バレリーナ:The World of John Wick』などを観た人なら、暴力の世界で生きる人物の孤独や、訓練によって戦闘能力を身につける人物像を比較して楽しめるかもしれません。

もちろん、それぞれ独立した作品であり、『アサシン』の直接的な続編ではありません。

主人公が何のために戦っているのかに注目すると、暗殺者映画の魅力を違った角度から楽しめそうですね。

映画『アサシン』の感想に関するよくある質問

『アサシン』には、オリジナルとの関係や監督、結末、音楽など、気になりやすい疑問がいくつかあります。

特に1993年版は似たタイトルの映画と混同されることもあるため、鑑賞前後に確認しておくと分かりやすいでしょう。

映画『アサシン』は面白い?つまらない?

『アサシン』は、ブリジット・フォンダの魅力やアクション、音楽を楽しめる映画です。

一方、オリジナル『ニキータ』と比較すると、映像の鋭さや心理描写が弱くなったという意見もあります。

単独の娯楽映画として観るか、リメイク作品として比較するかによって、印象が変わりやすい作品です。

映画『アサシン』はリュック・ベッソン監督の作品?

いいえ。1993年の『アサシン/暗・殺・者』を監督したのはジョン・バダムです。

リュック・ベッソンが監督したのは、オリジナルの『ニキータ』(1990年)になります。

『アサシン』は、その物語をもとに作られたハリウッドリメイクです。

『アサシン』と『ニキータ』はどちらを先に観るべき?

両作品の違いを楽しみたいなら、『ニキータ』から観るのがおすすめです。

オリジナルを知ってから『アサシン』を観ると、出演者や音楽、演出、人物関係の違いが分かりやすくなります。

ただし、物語は独立しているため、『アサシン』から観ても問題ありません。

マギーは最後に死亡した?

マギーは映画のラストで死亡していません。

最終任務を生き延びた後、恋人J・Pのもとを離れ、組織から逃れる道を選びます。

ボブはマギーの死亡を確認していませんが、組織には彼女が死亡したと報告します。

ボブはマギーのことを愛していた?

ボブがマギーに特別な感情を抱いていたと考えることはできます。

ただし、それが恋愛感情なのか、保護者のような愛情なのか、責任感や罪悪感なのかは、はっきりしません。

最後にマギーを見逃す行動には、いろいろな感情が入り混じっていたように感じられます。

映画『アサシン』のニーナ・シモンの曲は何?

本作のサウンドトラックには、「Feeling Good」「Here Comes the Sun」「Wild Is the Wind」「I Want a Little Sugar in My Bowl」「Black Is the Color of My True Love’s Hair」などが収録されています。

ニーナ・シモンの歌声は、マギーの人物像や映画の雰囲気を印象づける大きな魅力です。

映画『アサシン』には続編がある?

1993年版『アサシン/暗・殺・者』の物語を直接引き継ぐ公式な映画続編はありません。

一方、オリジナルの『ニキータ』をもとにしたテレビシリーズなど、関連作品は存在します。

ただし、それらは『アサシン』の直接的な続編ではありません。

映画『アサシン』はどこで観られる?

映画の配信状況は、サービスや時期によって変わります。

鑑賞したい場合は、動画配信サービスや映画情報サイトで取り扱い状況を確認してみてください。

配信で見つからない場合は、DVDなどの映像ソフトを探す方法もあります。

検索するときは「アサシン/暗・殺・者」や原題の「Point of No Return」、主演の「ブリジット・フォンダ」を組み合わせると、別作品と間違えにくくなります。

映画『アサシン』の感想まとめ|『ニキータ』とは違う魅力を持つリメイク作品

映画『アサシン/暗・殺・者』は、オリジナル『ニキータ』と比較すると、映像の鋭さや心理描写の深さで物足りなさを感じる部分があります。

ストーリーの大筋がよく似ているため、リメイクならではの新鮮さが少ないと感じる人もいるでしょう。

でも、それだけでつまらない映画と判断するのは、少しもったいない気がします。

やはり大きな魅力は、ブリジット・フォンダの存在感です。

荒っぽい女性から美しく洗練された暗殺者へと変化しながらも、普通の幸せを求め続ける。

そんなマギーの姿には、強さだけではない魅力があります。

レストランでの初任務や、恋人からプロポーズされる瞬間に暗殺命令を受けるホテルの場面も印象的です。

特にホテルでの狙撃シーンには、この映画が描こうとしたことがよく表れていると思います。

愛する人と幸せに暮らしたいのに、暗殺者としての仕事から逃れられない。

その苦しさが、ドア一枚を隔てた二人のやり取りだけで伝わってきます。

また、ガブリエル・バーン演じるボブの複雑な人物像や、ハーヴェイ・カイテルの不気味な掃除人、ニーナ・シモンの音楽も、映画の印象を深めています。

そして、ラストでマギーが選ぶのは、組織に与えられた人生ではなく、自分自身で生きる道です。

愛する人との生活を手放すことになっても、暗殺者としての運命から逃れようとします。

その姿には寂しさもありますが、同時に小さな希望も感じられます。

『アサシン』は、『ニキータ』を超えるリメイクとは言いにくいかもしれません。それでも、ブリジット・フォンダの魅力や90年代らしい映画の雰囲気を楽しむなら、十分に観る価値のある一本です。

オリジナルをまだ観ていない人も、昔観たことがある人も、改めて楽しめる作品だと思います。

『ニキータ』と『アサシン』を見比べながら、自分はどちらの主人公や雰囲気が好きなのかを確かめてみるのもよさそうですね。

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